「この映画はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係があるのだろうけど、少し演出されています?」みたいな感じの映画だった。
映画は唐突に1984年の「Macintoshの発表」の40分前から始まる。発表までの40分間に、スティーブ・ウォズニアックやジョン・スカリー、アンディ・ハーツフェルド、クリスアン・ブレナン、リサ・ブレナンとの会話劇が延々と続き、さあ発表というところで、時間は流れ、次のイベント1988年の「NeXT Cube発表」の40分前に。また同じようにスティーブ・ウォズニアックやジョン・スカリー、アンディ・ハーツフェルド、クリスアン・ブレナン、リサ・ブレナンとの会話劇。そして、やはり、発表というところで、時間が流れ、1998年の「iMac発表」の40分前へ。やはり同じようにスティーブ・ウォズニアックやジョン・スカリー、アンディ・ハーツフェルド、リサ・ブレナンとの会話劇、もちろんiMac発表会は描かれない…。
全編、延々とスティーブ・ジョブズと誰かの会話だけで構成されているし、スティーブ・ジョブズの真骨頂たるプレゼンは一切描かず、その直前の舞台裏だけである。ストーリーだけ書き出すと面白いのかどうか分かりにくいが、まあ、2時間が短く感じるほどのめりこめたので面白かったのだろう。
実際にプレゼン直前40分間にこんな濃厚なドラマが本当にあったとは思えないので、結構演出が入っているのだろうと思うのだが、スティーブ・ジョブズならありえそうとか思わせるところがこの映画の味噌だろうか。
ところどころで、iPhoneやiPodを示唆するような会話もあったりするが…ちょっと作りすぎかな…。
ところで…、この映画ってある程度スティーブ・ジョブズの知識がないと楽しめないのではないだろうか?例えば、映画の中の主軸の一つに娘であるリサとの関係性があるのだが、スティーブ・ジョブズの伝記系の本を読まないと知らないよね?…3年前の映画「スティーブ・ジョブズ」はこの映画を観る前の予習によいかもしれん…。