だいぶ古い小説だが、「第五惑星アスカ」(全三巻、六道慧著)というシリーズの小説があった。
あらすじは1996年に日本で原発が事故を起こし、金持ちは国外に逃亡し、一般の人々は日本に閉じこめられ、世界から隔離され、さらに世界各国の核廃棄物のごみ捨て場にしようという計画が立ち上がる。というもの。
実際にはこれに、放射線によって生まれた超能力者、超能力を持つ金星人、7000年前に消滅した第五惑星とそこで生まれながら進化する超能力を持つ主人公アスカなどが、入り乱れて、破滅的な事態を巻き起こし歴史を変える陰謀と戦い、地球を蝕む放射能と対峙する、という要素が加わります。
福島の原発事故のニュースを毎日観るたびに思い出しては気になっていたので、土日で読み返してみた。宇宙船やクローン技術を持っている第五惑星人が、核分裂を知らない設定であることに違和感を感じたりしたのですが、原子力発電所の事故について、本当に良く書かれていたんだなと感心してしまった。
小説の最後はもちろん、世界中で爆発した原発が振りまいた放射能は無事…主人公の犠牲によって…除去されたわけですが、現実はそうもいかないので、日々心配です…。