危険な過去への旅(スタートレック)についての改めての考察

「STEINS;GATE」を全体的に見直してみると、スタートレックの「危険な過去への旅」のエピソードに似ているなぁと思ってしまった。
ポイントは「愛する女性の死を回避することで、未来が本来の流れと異なってしまうため、見殺しにしなければいけない」というところだろう。
「危険な過去への旅」では、第二次世界大戦直前のアメリカにタイムスリップしてしまったDr.マッコイが平和運動家のエディス・キラーを交通事故から救ってしまったために、その平和運動でアメリカの参戦が遅れ、ドイツが先に原爆を作ってしまい第二次世界大戦に勝利、未来のエンタープライズが消失してしまうというタイムラインの変更が発生してしまった。
そのことがまだ判明する前に、Dr.マッコイを追って過去にやってきたカークはエディス・キラーを愛してしまうが、未来のために見殺しにせざるを得なかった。と悲劇で終わっています。
「STEINS;GATE」の流れで考えると、実はもう一つの未来があっても良いのではないかと夢想してしまう。例えば、事故が起きる前にエディス・キラーを未来に連れて行ってしまうとか。
平和運動を起こすエディス・キラーが本来のタイムラインから離脱してしまえば、交通事故と同様にいなくなっているのだから、歴史に干渉することも無く。本人も無事でハッピーエンドなのではないかと。
ちなみに、本来いるべき人物を未来に連れて行くと、その人物がいない状態がタイムラインとして確立してしまうのは「スタートレック エンタープライズ」の「暗黒からの衝撃波」でアーチャー船長が31世紀に連れて行かれたために、本来の「惑星連邦」の歴史が変わり、31世紀から戻れなくなってしまうというエピソードがあるので、スタートレックの世界観としては問題ないはず。
また、過去から人を未来に連れて行ってしまうというのも「スタートレックIV 故郷への長い道」でジリアン・テイラー博士を未来に連れて行ってしまったことがあるので問題ないだろう…この時はジリアン・テイラー博士はあまり歴史に重要な要素ではなかったらしく、タイムラインは変化が無かったけど。
もう一点、微妙に対比的な感じでの台詞に気がついたので記しておこう。まあ、昔から、時間を川の流れに見立てるのはタイムパラドックス系の物語ではよくあることなのですが。
スポック「ある理論では時間とは川の流れに似たものであると言っていますが、もしそうなら望みが持てますね」
ジョン・タイター「時間は過去から未来へたった一つの川がながれているようなものではありません」