ドラゴンランス戦記 廃都の黒竜(上)(マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン著、安田均訳、ともひ絵)を購入
だいたい20年前に富士見文庫版「ドラゴンランス戦記 廃都の黒竜」を購入し、7年前に復刊したエンターブレイン版「ドラゴンランス戦記 廃都の黒竜」を購入し、今回は角川つばさ文庫版となります。
角川つばさ文庫は、だいたい小学生向けな感じでしょうか。まあ、それにしては既刊の作品チョイスがやたらと微妙なんですが…。
内容は下手に子供向けにいじっていないので、今までの版を買い損ねた人にもお勧めできます。ふりがなが全ての漢字にふられていますし、一部英語でないと通じないところもきちんとルビが振られています。
問題は挿し絵、今までのものは挿し絵がほとんどなく、あったとしてもアメリカン・ファンタジーでしたが、完全にライトノベル・ファンタジーな挿し絵が使われています。
タニス(ハーフエルフ)が少年がヒゲを生やしたような変なキャラクターに、キャラモン(戦士)はやんちゃな少年、ゴールドムーン(僧侶)が美少女、リヴァーウィンド(蛮族)が女性的な美青年…、今までのイメージから乖離過ぎ…。タニスなら30代くらいで、キャラモンは巨漢な青年、ゴールドムーンは美人で気高く、リヴァーウィンドはもっとごついというイメージだったのに…。
特にレイストリン(魔術師)、老人とも少年とも見えず弱々しくも輪郭がきりってイメージだったのに、弱々しい美少年風って…、クリン世界で最も偉大な魔術師になんてことを…。
フリント(ドワーフ)とタッスルホッフ(ケンダー)はまあ、イメージからはそんなに離れていないような。スターム(騎士)はきちんとおっさんだな。
ちなみにエンターブレイン版が著者による注釈付きで作品の作成過程でのエピソードが楽しめたりするんですよね。その中で「タニス」は「カーク船長」がモデルと書いてあるんです。なんとなく納得。