3月 30, 2011

想定外のこととは?

福島の原発の事故のせいか、最近、想定外のことが起きたらどうするか考えることが大切だと言い出す人が多くいる。
しかし、想定外のことを考えて想定した段階で、想定外ではなくなるという矛盾なのではないかと思う。
5mの津波を想定していたところに10mの津波が来ました、今度の事故を機会に、では10mの津波を想定すればいいのか?15mでも足りないかも知れない。
では、原子力発電所の防波堤が役に立たなかった想定をしてみよう。海際に作るのがダメなのだとしたら、もっと内陸に作ればいいのか?直下型の地震が起きた時に、冷却水が入手できないと困るから川際か?でも洪水に襲われたら困る、湖近くなら?湖だって渇水の時がある…
例えば、どこに作ったとしても、隕石が落ちてくる可能性だってあるわけだ。何万年に1度の確率かも知れない。今回の地震だって1000年に1度の大地震だ、何万年に1度だって明日起きるかも知れない。
…ということで、「想定外のことを想定しろ」とか「想定外のことを何故想定していなかったのだ!」と無闇に責任を取るように迫ったりするのは意味のないことだと感じるわけなのです。そんなことよりも大切なことがあるだろうと。
そして、「想定外のことが起きたらどうするか考えること」よりも、「今、目の前で起きている現実を考えること」の方がよほどいいのではないだろうか?